Alzheimer's disease treatment drug アルツハイマー病治療剤「抗アミロイドβ抗体薬」
当院では、アルツハイマー病治療剤「レケンビⓇ(一般名:レカネマブ)」「ケサンラⓇ(一般名:ドナネマブ)」の治療を行っています。
◆ 治療対象者
・アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)
・軽度の認知症の方
◆診療日
もの忘れ外来 毎週火曜日 午後13:30 ~17:00
※予約制になっておりますので診療をご希望の方はご相談ください。
☎ 082-848-2357
◆抗アミロイドβ抗体薬ってどんな薬ですか?
アルツハイマー病の新しい治療薬レカネマブ(レケンビ®)が2023年12月20日に、ドナネマブ(ケサンラ®)が2024年11月26日に発売となりました。どちらも、アミロイドβと呼ばれるタンパク質を脳内から除去する新しい作用をもった薬剤です。当院では、厚生労働省が定めた「最適使用推進ガイドライン」に従い、安全に投与できる体制を整えています。
※副作用
抗アミロイドβ抗体薬は、投与中又は終了後数時間以内でアレルギー反応が出ることがあります。発熱、悪心/嘔吐、頭痛など10%程度にみられます。またアミロイド関連画像異常という脳に限局した小出血や浮腫が20〜30%みられることがあります。症状が出るのはその一部ですが、定期的な頭部MRIで注意深い経過観察を行います。
◆治療を受ける要件
対象者である、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)・軽度の認知症であることを検査して調べる必要があります。
アルツハイマー病以外の認知症や中等度以上の認知症の患者様は治療を受けることができない為、投与前に以下の検査を受けていただく必要があります。
・認知機能検査
・MRI検査
・脳脊髄液検査またはアミロイドPET検査
検査から治療への流れ

※アミロイドPET検査に関しましては専門の医療機関へのご紹介させていただき、検査を受けていただくようになります。
投与スケジュールについて
・薬剤投与は点滴で行います。1回の投与は約30分~1時間かかります。
・初めての投与はアレルギー反応の出現に注意を払う必要がある為、1泊2日の入院としています。
問題がなければ2回目以降は外来にて行います。
・レケンビでは2週間毎、ケサンラでは4週間毎に投与を行っていきます。
・投与期間中、アミロイド関連画像異常(ARIA)などの副作用の有無を確認するためのMRIを定期的に行います。
・最大の投与期間は原則として12~18カ月までになります。
※ なお、薬の投与中は6ヵ月ごと、あと投与開始後18ヵ月を目安に医師が症状に基づき薬の効果や病気の進み具合などを確認し、レケンビでの治療の継続または中止を判断します。
またそれ以外にも、副作用の発現状況を評価し、医師が治療の中止を判断する場合もあります。
レケンビⓇ(一般名:レカネマブ)のスケジュール

ケサンラⓇのスケジュール

※投与方法・期間

費用について
これまでの認知症の治療薬と比較して高額な治療薬となりますが、医療保険が適用されます。多くの方が高額医療の対象になることが見込まれます。
負担金額は各種条件によって異なりますので、詳しくは窓口にてお問い合わせください
治療について
※本剤はアルツハイマー病の進行を抑制する効果のある薬であり、根治を目的とした薬ではないことをご理解ください。
本剤の投与の有効性が期待できる症状であるかどうか、投与前に当院で検査を受けていただきます。 本剤の有効性が期待できない病状である場合や、禁忌に当たる既往歴がある場合は投与をお断りする場合がありますのでご了承ください。